長時間の密なコミュニケーションで仲間意識を育む上の世代

昭和バブル世代にしても、昭和親父世代にしても、学生時代のコミュニケーション・スタイルは基本的に同じようなものです。誰かの部屋に集まってお酒を飲んだり、おしゃべりをしたり、麻雀をしたりするなど、長時間の密なコミュニケーションを通して、仲間意識を育んでいきました。

これが平成ゆとり時代になると、一晩明かすにしても、カラオケ店や漫画喫茶で過ごすなど、上の世代とは違い、対面ではなく、「画面」がワンクッション入る形のコミュニケーションになります。

ノリとしては昭和世代とあまり大きく変わらないのですが、周囲の空気をさらに読むようになり、同調意識がいっそう強くなっていきます。たとえばこの世代は学生時代に「ヤマンバギャル」などが流行りましたが、自分がどの集団に分類されるのかを気にし、自分が所属する集団とそうでない集団の区別にこだわる「カテゴリー意識」が強い傾向にあるといえます。

常時「つながっている」ことで仲間になるZ世代

さらに時代を下って、Z世代となると、一晩中LINE通話をつなぎっぱなしにしながら、各自、宿題をしたり、夕飯を食べたり、入浴をしたり、動画を見たりと、常時「つながっている」ということに対して仲間意識が成立します。

位置情報アプリZenlyがブームとなったように、いつでも自分や友人の居場所を把握したがるのもZ世代の特徴です。

このようにZ世代は、見方によっては私生活をダダ漏れにするようなコミュニケーションが平気な世代にも見えます。

ところが、その一方で、すべての人に対してダダ漏れにするわけではない、というのがZ世代の興味深いところ。「こいつには見せない」「こいつには見せる」と、その実キッチリ相手を取捨選択してもいるのです。

同世代の友人同士でもはっきり線引きをするのはもちろんのこと、スタイルのまったく異なる昭和世代や平成ゆとり世代には明らかに一線を引いて、なかなかその本音を見せません。