「うんうん」という相槌は失礼? フレンドリー?

これは人に聞いた話ですが、最近、ある若者が会社の先輩に向かって「うん、うん」と返事をしていたそうです。

木原誠太郎『「人間関係」は性格と相性が9割』(プレジデント社)

当人に悪気はなく、「そのほうがフレンドリーだからよい」と思い、相槌を打っていただけのようです。

世間一般の“常識”では、先輩に対して「うん、うん」と相槌を打つことなどまったくもって失礼千万。「何だその返事は!」と、こっぴどく叱られても文句は言えません。

ところが、Z世代には違和感を持たない人も多いそうです。

これは先のLINEの「。」の話と同様に、世代によってコミュニケーションに対する考え方に大きな違いがあることの象徴的な事例だといえます。

世代ごとに性格タイプの傾向に違いがある

時代の変遷とともに移り変わるコミュニケーション手法、またそれが生む世代間ギャップは、一律にどちらが良い悪いと決めつけられるものではありません。私としてはむしろ、このギャップを、相手の性格を知り、相手によって話し方を変える機会にする必要性がある、と捉えています。

私は、「ディグラム診断」という性格診断ツールを用いて、これまで1500万人以上を調査してきました。これは、人間の性格タイプを31の波形に分けて分析するものですが、調査を進める中で、人々の性格的傾向は、世代や生まれ育った時代背景によっても大きく異なることがわかりました。

性格タイプの詳細な説明は拙著『「人間関係」は性格と相性が9割』を参照いただきたいのですが、昭和バブル世代の人は「台形型」。とにかくみんな楽しくポジティブ。感覚的に「楽しく行こうぜ!」という性格タイプが多い傾向にあります。この世代は、情熱的で共感性が高く、人情に厚い。そのため仕事などでは、利益や内容の良し悪しより人間的つながりを優先し、「○○さんだから一肌脱ぎますよ!」と引き受けることが多いのです。

そして、その1つ上の昭和親父世代になると、「U型III」。責任感や正義感が強く、我慢強い滅私奉公型の性格タイプが多いのです。