ひらめきに必要なのは集中とリラックス

ひらめきというのは、ただオフィスの机に向かっていれば浮かんでくるものではないということは、誰もが経験していることではないでしょうか。

ひらめきに必要なのは、「集中とリラックス」のバランスです。

ひらめきやアイデアは、基本的に脳がリラックスして脳がアイドリングしている状態でなければ生まれにくいといわれています。

たとえば、何時間も何時間も考えぬいた末に疲れ果て、お風呂に浸かった瞬間「ひらめいた!」という経験をした人もいるかもしれません。

これがまさに「ただただ、ボーッと過ごす」ということの効果です。

このとき注意しなければならないのは、集中、リラックス、集中、リラックスというメリハリのあるサイクルをまわすことを意識するということです。ただただ何もしない時間をつくるだけでは意味がありません。

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アインシュタインは、台所でバイオリンをボーッと弾きながら物理の問題を考えていたという有名なエピソードがあります。

こうした行為は、「完全に遊んでいる」と思われがちですが、とんでもありません。このときにこそ、最もクリエイティブなことをやっているといえるのです。

多くの日本のビジネスパーソンは仕事の集中の仕方は心得ていても、リラックスしたり、休んだりするということが、苦手なようです。

このことが、日本企業にイノベーションが起こりにくいということに少なからずつながっているような気がしてなりません。

私たちの脳には、「何もしない」「先延ばし」が必要

「何もしないでいるよりも行動を起こすべき」
「何もしていない自分に価値を見出せない」

こんな考えを持って仕事をしているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

実際に、「何もしない」、あるいは「先延ばし」といったことは、世の中では「悪」ともとられてしまうことが多々あります。

ですが、私たちの脳には「何もしない」、あるいは「先延ばし」の時間が必要なのです。すなわち、時々脳を自由にして、日々の出来事を処理する時間をつくってあげることが大事だということです。

たとえば、皆さんが道を歩いているときに空き地を見つけたとしましょう。

その空き地を見て、「こんなに広い土地をそのままにしておくなんて、もったいないな」と思うかもしれません。

それと同じように、脳のなかの空いたスペースがあれば、「何かやれることがあるはず」と考えてしまうのではないでしょうか。

これが、脳のなかの種がしっかりと育っていかない大きな要因になっているのです。

そんな状態で、いくら脳のスペースを埋めようとしても、その種は大きく育つわけはなく、もやしみたいなものにしかなりません。

脳のなかの種を大木にしたいのであれば、「何かすべき」と考えるよりも、日常生活のなかで余裕を持って生きている雰囲気というのが大事だということです。

というのも、一見すれば何も考えていないように見える人が、世の中で成功を収めているケースがほとんどだからです。

そうした人というのは、実は最も自分自身や物事を振り返って考えているのです。