「午後4時」には仕事を終えて帰宅するデンマーク人

第2位は、『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』でした。

針貝有佳『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』(PHP研究所)

2023年の世界幸福度ランキングで第2位に輝いたデンマークは、ビジネスの国際競争力ランキングで、2022年から2年連続で世界第1位を獲得している国でもあります(なお、日本は2022年が34位、2023年は35位)。

本書によると、そんなデンマークの職場では、誰もが午後4時には仕事を終えて帰宅するのが当たり前。

「午後4時には仕事を終えているのに、朝から晩まで働く国より成果を出しているなんて……なぜそんなことが可能なのか?」――誰もが抱く、この疑問に答えをくれるのが本書です。

ここでは、デンマーク人の「時間の使い方」のポイントを2つ紹介しましょう。

1つ目は、会議のアジェンダと終了時間を設定して、それを順守すること。時間内に結論が出すように努力しつつ、結論が出なければ別の機会にあらためて話し合うのがデンマーク流です。

2つ目は、ダブルチェックをしないこと。デンマークでは、「ダブルチェックをするより、一人ひとりが責任を持って仕事をする方が効率的だ」と考えるのが一般的だそうです。

幸せかつ生産的なデンマークの働き方を知れる本書。少ない時間で大きな成果を出したいなら、ぜひチェックしたい一冊です。

子どもも大人も夢中になる「お金と社会」を学ぶ本

第3位には『きみのお金は誰のため』がランクインしました。2月13日に発表された「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」で総合グランプリとリベラルアーツ部門賞をダブル受賞した、いま大注目の一冊です。

田内学『きみのお金は誰のため』(東洋経済新報社)

本書は中学2年生の佐久間優斗を主人公とする物語形式で、お金と社会の本質を楽しく学べる本。

優斗はある日、学校の帰りに近所を歩いていると、七海という女性に呼び止められます。投資銀行で働いているという彼女は、謎の大富豪「ボス」に話を聞きに来たとのこと。ふたりはともにボスの屋敷に招き入れられ、お金の講義を受けることに――というストーリーです。

特に注目したいのは、初めての講義でボスが教えてくれた、お金にまつわる3つの真実。それは「お金自体に価値はない」「お金で解決できる問題はない」「みんなでお金を貯めても意味はない」です。おそらく誰もがつい反論したくなるのではないでしょうか?

子どもから大人まで、先の読めない物語展開に夢中になること間違いなしの一冊です。