海千山千の大物政治家を翻弄する組織の恐怖
海千山千の大物政治家でさえ、こうした状況に追い込まれるのですから、過去にどれだけ多くの人が同じような形で追い詰められ、被害を受けてきたのか想像できません。
今、教団と関係を持ってきた多くの自民党議員のなかには戦々恐々の方も多いでしょうが、すべては自らの脇の甘さが招いたもの。信者一人ひとりは善良そうに見えますが、組織からの指示を受けると、戦闘態勢に一変します。そうした裏に隠されたカルト思想ならではの狡猾さを見抜けないと、大きな代償を払うはめになってしまうのです。
筆者が危惧するのは、盛山文科相の件を踏まえ、教団と関係を持ったことのある議員が今後、教団に対して次のようにこっそり伝える可能性があることです。
「自分があなたがた(教団)と関係があったことは外部に話さないでほしい」
そうやって関係がある(あった)ことを口封じする。しかし、これは完全に逆効果だと断言できます。なぜなら、その口封じの言葉自体を暴露される恐れがあるからです。
韓鶴子総裁などの教団の上層部から「○○をしなさい」と言われれば、必ず実行しなければなりません。ですので、日本の教団幹部らが仮に「暴露しない」と約束したとしても、何かあればすべてリークされることになります。
政治家は当選しなければ、ただの人。どうしても当選したい、と霊感商法で多くの被害を出している教団の関連団体と知りつつも手を組んできた政治家たちは崖っぷちに立っているも同然で、いつ身を滅ぼす事態になってもおかしくありません。
この際、過去に教団と関係を持った議員は、自らの口でしっかりとすべてをさらけ出すべきでしょう。禊を済ませなければ、新しい一歩を踏み出せません。
今回の関連団体の信者からの情報リークは期せずして、政治家たちのこれまでの脇の甘さと、旧統一教会と関係を持つことによる負の側面を改めて多くの人に見せつけた結果になったと言えるでしょう。