細かい行動スケジュールは立てるな

私が資格試験を受けるときは2年を期限にするという話をしましたが、その際、それ以外のことは決めないようにしています。

というのも、日々のスケジュール(特に勉強スケジュール)を立てるうえで必要なのは、「明日」のことを考えることなのです。反対に、1年先、1カ月先のことは考えません。

佐藤孝幸『仕事と勉強を両立させる時間術』(クロスメディア・パブリッシング)

なぜなら、一日中勉強に時間を使える学生とは違い、社会人の勉強は「仕事をしながら」が前提だからです。

突然の打ち合わせ、客先とのトラブルなど、仕事にはトラブルがつきものでしょう。

自分の仕事はコントロールできても、相手の都合はコントロールできません。家庭で家事をしている人なら、家族が病気になることもあるでしょう。

きっちりとしたスケジュールにそうした例外が入ってくると、人は焦ります。焦るあまり、無理をしてリズムを崩すことがあるかもしれません。

あるいはスケジュールどおりにいかないのが嫌になり、「どうせうまくいくわけない」なんて考えて、勉強に対するモチベーションを下げてしまうこともあるでしょう。目標のために立てた計画のせいで、目標が達成できなくなる。それでは本末転倒もいいところです。

綿密に立てた計画であればあるほど、それは自分の中での理想的なスケジュールになりやすく、現実味がなくなってしまいます。かといって、多少ゆるめのいいかげんなスケジュールを立てたところで、予期せぬトラブルが続くことで結局“なぁなぁ”になってしまいます。

ですが、今日やるべきこと、あるいは明日やるべきことくらいまでであれば、ある程度はコントロールできます。

勉強で大切なのは、ペースを守り、とにかく続けることです。

融通の利かないスケジュールを立てるくらいなら、トラブルにも臨機応変に対応できるやり方で進めていくべきでしょう。

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