堪忍袋の緒が切れる
「私が離婚を決意した一番の理由は、子どもたちに無関心なことでした。たまに子どもたちと遊んでも数分で終わり。宿題を見てくれたこともない。自分から子どもに関わろうとせず、平気な顔で『子育てはお前に任す』と言い放ちました」
長男が7歳、長女が2歳の頃、大きな地震に見舞われたが、子どもの心配より自分の母親の心配ばかり。子どもの登校時間に平然と朝帰りをし、「車で仮眠してたら朝だった」とバレバレのウソをつく。
「義父の通夜葬儀でマザコンだったことが判明したうえ、平気で朝帰りするようになると、さすがに堪忍袋の緒が切れました……」
山口さんが「離婚してほしい」と伝えると、「改心する。ギャンブルもやめる。子どもとも遊ぶ。だから離婚しないでほしい。仮面夫婦でもいい。お袋が悲しむ姿を見たくない!」と食い下がり、何カ月経っても離婚届けに判を押してくれない。
離婚を切り出してから8カ月ほど経った頃、しびれを切らした山口さん(当時33歳)は、思わずこう言ってしまう。
「慰謝料はいらないからとにかく離婚して!」
すると夫は手のひらを返したように離婚届けに判を押し、「俺には子育ては無理。お前が育てて」と言い放ち、家からそそくさと出て行った。(以下、後編へ続く)