【原因B-1、2】施策発見力が不足している人
施策発見力が不足している人に見られる現象の1つは、問題を「分けて考えることが非常に苦手」ということだ。
「会社を辞めたい」といった相談を若い人からよく受けることがあるが、仕事内容、給料、上司への不満などがぐちゃぐちゃに入り交じっていて、聞けば聞くほど辞める理由がわからなくなる。辞めることの当否も判断がつかず、今後の方向性を正しく見極められることなどできるはずがない。
もう1つの共通現象は「解決策の幅をあらかじめ限定している」ことである。たとえば「会社を辞めたい」の例でいえば、すでに「辞める=解決策」と勝手に決めこんで相談にくるというースが非常に多い。他部署への異動を願い出れば済むような場合もかなりあるが、本人の中ではそれは「ありえないこと」と否定されており、辞めることだけが唯一の解決策となっているのである。とりわけ人生経験の少ない人、常識にとらわれやすい人などは、この「解決策の幅の限定」に陥りやすいように思える。
【原因B-3】切り替える力が不足している人
世の中には、どんなに必死に解決策を探しても、どうにもならないこともある。たとえば「過去に起きたこと」である。今さらどうにもならないと知りつつ、私たちはさまざまに思い悩む。あるいは他人の気持ちなどというのも、本来「どうにもならないもの」だが、私たちはそれをいたずらに気にして日々を過ごしている。
悩みを抱えやすい人とそうでない人を比較したとき、決定的に違うのは、この「どうにもならない」に出合ったときの反応である。抱えにくい人の場合、すばやく頭を切り替え、次のことを考えようとするが、抱えやすい人の場合は、頭を切り替えられず、クヨクヨとそのことを考え続けてしまう。考えたとてどうにもならないことを考えるので、さらに悩みの迷宮に入りこんでしまうのである。