500億円のファンクラブの収入

5.なぜ、そこまでファンクラブに権限をもたせるのでしょうか。ファンクラブはファミリークラブと称しますが、以前から1200万人の会員を抱えるとジャニーズ事務所は公言していました。入会金は1000円。年会費は4000円。一人4000〜5000円を1200万人の会員数と計算すると、約500億〜600億円もの収入があることになります。このクラブの収入は、どこに上納されるのでしょうか。

2022年12月に東京国税局から“お年玉”など約9000万円を経費計上していたものは経費に認められないとして、約4000万円を追徴課税されていましたが、事務所の“常識外れ”な会計処理がうかがえます。

また、これはあくまでも会費です。チケットを買うために家族を全員会員にしているケースもあるといいますし、ファンクラブに入るのはコンサートで「ファンクラブ優先チケット」を申し込むためですが、そのチケットに当選したファンが代金を支払う先は、ジャニーズFCを運営しているジャニーズ事務所ではなく、「ヤング・コミュニケーション」という企業になっています。

6.7日の会見で、ジャニーズ事務所社長の辞任を発表したジュリー氏ですが、9月の時点ではヤング・コミュニケーション社の代表取締役は外れていません。発表もありません。オカネのなる木であるこの会社は、大事なはず。グループ会社をすべて引退するとジュリー氏が言うなら、この会社の社長は誰になるのでしょうか。

7.補償については、その後も、被害者が増加しているにもかかわらず、補償が確定した人数はわずかです。本当に誠実に補償に向き合う気持ちはあるのでしょうか。元々性加害に関する補償は、経験豊かな弁護士などによると、大体数百万円にしかなりません。

被害者の多くは、ただ性加害を加えられただけでなく、その精神的苦痛により、人生そのものを破壊された人々が多く、その人々に、弁護士ばかりのチームで彼らの人生を取り戻すような気持ちのこもった補償ができるのでしょうか。

HPの申し込みフォームを通じて、被害を届け、外部の三人の弁護士により、聞き取りをして補償額を決めるということは、あまりに、誠意のない補償行為だと考えます。多大なトラウマを抱えた被害者が自殺までしているという現状なら、このスキームでは、また自殺者がでないとも限りません。

弁護士を増やすとか、ジュリー氏本人が被害者一人ひとりと話し合うとか、人間味のある対応ができないのでしょうか。そして、プライバシーの保護を前提として、補償額も公表すべきです。