MCではなく学級委員長
そんな「最高峰のマルチプレーヤー・川島明」たる所以が全面に表れているのが『ラヴィット!』。
川島は曜日レギュラーや番宣絡みのゲストにタイミングよく話を振り、生放送で不規則に放たれるボケを拾い、スベったらフォローで笑いに変え、さらに自らもときどきボケてツッコミを入れてもらう。
ゲーム対決やアーティストライブではMCであることを忘れ、いち出演者として大はしゃぎし、罰ゲームも受けるなど、「日本でいちばん明るい朝番組」のコンセプトを自ら体現している。
特に「日本一長い」と言われ、1時間を超えることも少なくないオープニングの楽しげなムードは、年齢を問わず学校の休み時間や学園祭を思い出すレベル。好きなものを愛情たっぷりに語り、新旧のグループゲームで盛り上がり、罰ゲームの電流ビリビリにもだえる姿で視聴者の笑顔を誘っている。
特筆すべきは、その中心に川島がいて、他の大物MCのように「見てコメントするだけ」というご意見番のポジションを取っていないこと。つまり、先生にはならず学級委員長としてクラスの明るいムードを作りつつ、盛り上げ役もやっているようなものだろう。
その学級委員長のような立場は、出演者のみならずスタッフに対しても同様。生放送だけに常に現場でコミュニケーションを取って調整を重ねながら、明るく楽しいムードを視聴者に届けようとしている。
すべて成功した『ラヴィット!』のスゴさ
今年の『ラヴィット!』は、まさに絶好調だった。平日朝の帯バラエティだけに視聴率こそ低いが、X(旧ツイッター)の動きは時間帯トップクラスで、見逃し配信の再生数でもゴールデンタイムの人気バラエティに交じって上位にランクイン。
加えて、4月に土曜早朝のダイジェスト版『夜明けのラヴィット!』がスタートしたほか、番組の期間限定ショップやミュージアムも開催。8月には番組内コーナー「耳心地いい-1グランプリ」のゴールデン特番が生放送されたほか、代々木第一体育館で『ラヴィット!ロック2023』が行われた。
さらに10月には8時間特番『お笑いの日』に番組内コーナー「つかみ―1グランプリ」が進出し、12月26日には年末特番『ゴールデンラヴィット!』が生放送される。
すでに「単なる朝の番組」というポジションではなく、「さまざまな方法で稼げるビッグコンテンツになった」ことがわかるのではないか。
川島と『ラヴィット!』の躍進は決して勢いによるものではなく、積み上げてきた信頼と実績によるものだけに、2024年も多くの話題を振りまいてくれるだろう。