自分の自由を守るために在宅での暮らしを大事にする

さらには、施設にはWi-Fiが設置されていなかったのです。タブレットを持ってきても動画を見ることもできません。部屋にテレビもなく、みんなが集まる食堂でしかテレビは見られませんが、ほかの人が見ているのにチャンネルを変えてとは言えません。

一週間は我慢したそうですが、耐えられなくなり「家に帰りたい」と訴えて騒いで家に帰らせてもらったそうです。この方の子どもたちに理解があったので家に帰ることができました。

和田秀樹『100歳の超え方』(廣済堂出版)

ときに、高齢者の「家に帰りたい」という希望は、認知症の不穏行動だと関係者に認識されて、向精神薬を服用させられたりして、施設に入ったら簡単には家に戻れない場合もあります。

ですので、施設に入るときはよくよく考えてほしいと思います。

できることなら在宅でどこまでできるか、自分で工夫してみましょう。私たちが自由に生きるために必要なのが自分の部屋であり、自分の勝手知ったる台所なのです。

自分の自由を守るためにも、在宅での暮らしを大事にしていってほしいです。

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