セブンに見放されたら、企業にとっては大打撃
日本ストローが当初納入していたストローはPP製だった。脱プラ運動が広がり、世界各地で「プラストローは要らない!」の大合唱が起きると、日本ストローは安泰としていられなくなった。
それもそのはず、ストレートストローの売り上げのうちコンビニ向けは全体の6割を占め、飲食店向けや学校給食向けを大きく上回っていたのだ。
繰り返しになるが、脱プラ運動を受けて日本ストローは紙ストローへ進出したものの、断念せざるを得なかった。そうなると、環境経営をモットーにするセブンから見放されたとしても不思議ではなかった。
日本のストロー業界は小さい。市場の大半は格安の輸入品に席巻されており、国内メーカーは中小企業ばかりだ。
日本ストローはコングロマリットの傘下にあり、比較的安泰といえる。それでも社員数は130人にすぎず、中小企業であることに変わりはない(年商35億円)。セブンとの縁が切れたら大打撃となってしまう……。
結局のところセブンとの取引関係は続いた。シバセ工業は「オープンイノベーション」によって危機を乗り切ったが、日本ストローは違った。「第三のイノベーション」という道へ進んだのだ。これについては後編で詳しく説明する。
(後編に続く)