気分の落ち込みやイライラの原因は「隠れ貧血」の可能性

イライラする、気持ちが落ち込む、めまいがする、息切れや動悸がするといった症状がある場合、「年のせいかしら」と片づけてしまう女性は多いと思いますが、もしかしたら「隠れ貧血」(潜在性鉄欠乏症)かもしれません。

隠れ貧血は肝臓や骨髄などに蓄えられている「貯蔵鉄」が不足している状態のことです。貧血を調べる際には血液中のヘモグロビン(赤血球のなかに含まれる成分で、酸素などを運ぶ重要な役割を担う)の濃度で判断しますが、貯蔵鉄が不足しているかどうかは「フェリチン」の値で診断します。ところが会社や自治体の健康診断でおこなわれる血液検査ではフェリチンの値は測定されないため、「正常」と診断されるケースもあるようです。「隠れ」と表現されるゆえんです。

女性に貧血が多い理由は月経による出血で鉄分を失うことや、必要以上のダイエットも一因。ヘモグロビンの合成にはタンパク質も必要なので、肉や魚の摂取量が少ないと貧血症状に陥ります。自分をメンテナンスしながら健やかに過ごしていきましょう。

※『自分で自分の介護をする本』(河出書房新社)より

更年期を上手に過ごす考え方

オランダで「ポジティヴヘルス」について取材しました。ポジティヴヘルスは「病気であっても、体に不自由なところがあっても、その状態に適応できていれば健康」という考え方。これは更年期症状がある女性にとって支えになる言葉のように感じています。

女性は40代に入ると女性ホルモンの分泌が次第に減少し、やがて閉経を迎えます。更年期は閉経前後の約10年間で一般に45~55歳といわれます。この期間に全体の約6割の女性が、ほてり、のぼせ、発汗、肩こり、暑い時期でも手足が冷たくなるといったことが見られます。さらに、抑うつや不安、不眠など心の変化も起きます。

更年期症状と更年期障害の違いは日常生活に支障をきたしているか、いないかです。後者であれば治療の必要性がありますが、日々の自分をコントロールできるのは、やはり自分でしかありません。「調子が悪くてもなんとか一日過ごせた」ことをよしとして、適度に自分を褒めながら日々暮らしていくのも、更年期を乗り切る方法の1つかもしれないと感じています。

※『自分で自分の介護をする本』(河出書房新社)より