官僚たちの意外な転職先

アップル日本法人の「政務部長」は総務省出身だ。

ある政界関係者は日本でのGAFAロビーの実態を明かす。

小林泰明『国家は巨大ITに勝てるのか』(新潮新書)

「GAFAは役所の優秀な若手を引き抜いてロビイストにしている。法務省、公取、経産省出身者もいる。この前まで逆側にいたじゃないか、と言いたくなるが、役所出身だけあって、誰がキーマンで、誰が敵で味方か、完全に把握している」
「有力な政治家や将来有望な政治家には、実に丁寧にコミュニケーションをとり、政策を見て、デジタル分野の政策実現にお役に立てることがあれば、と近づいてくる。アメリカで議員と議論したい、と言えば、お任せください、と外務省よりきちんとした議員を提案してくる。かゆいところに手が届く、という感じだ」

GAFAと友好関係を築いて政策を進める議員もおり、中には、すでにGAFA側に取り込まれている大臣経験者もいるという。

デジタル関連の政策を進めるうえで、日本でも利用者が多く、資金が豊富なGAFAの協力は議員らの大きな助けになるに違いない。議員からすれば、GAFAと仲良くするメリットのほうがデメリットより圧倒的に大きいだろう。日本でも広がるロビーの網。GAFAロビーは決して遠い国の話ではない。

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