年末ジャンボ1等に当たる確率は…
「ギャンブルをしなければ死ぬ」という病気でもなければ、負ける確率の方が圧倒的に大きいゲームで勝負する必要はありません。
「イッセイさん、ギャンブルなんてやりませんよ。私はたまに宝くじを買うくらいです」という人もいるかもしれません。ちょっと待ってください。夢が広がるドリームジャンボ宝くじとCMが流れていますが、夢が広がるのは実は胴元だけです。
確率論の観点からいえば、宝くじは「愚か者の税金」といわれています。リターンの期待値で言うとギャンブル以下です。還元率は約46%とギャンブルと比べてもかなり低いです。
ピンとこない人に説明すると、年末ジャンボの1等に当たる確率は、交通事故で死亡する確率の約588倍も低いです。
宝くじを買うことが趣味などでなければ、今後の購入はおすすめしません。ギャンブルや宝くじに費やす分のお金をコツコツ貯金したり、積み立て投資に振り向けたりするほうが結果的に蓄えは増え、夢も広がります。
生命保険は還元率だけでいえば最悪
「イッセイさん、私はギャンブルも宝くじもやりません。マイナスサムゲームなんてバカらしくて手を出しませんよ」
そう思われた人も少なくないでしょうが、本当でしょうか。
実は日本人の多くが何も考えずに参加しているマイナスサムゲームがあります。大半の人はそのことに無自覚に胴元を儲けさせてしまっています。
生命保険や医療保険です。
オフィスバトン「保険相談室」代表の後田亨さんは東洋経済オンラインの記事で、ライフネット生命が開示している、保険料に見込みで含まれる保険会社の運営費の割合(付加保険料率)をもとに、医療保険やがん保険などの還元率を推計しています。
商品にもよりますが、だいたい40~70%くらいだそうです。還元率だけでは、パチンコや競馬よりも悪いわけです。
もちろん、保険はギャンブルとは違った性質があります。一家の稼ぎ頭が突然亡くなっても、死亡保険に加入していたことで救われる家庭もあるでしょう。ただ、それでもマイナスサムである性質は理解して、内容に納得した上で契約すべきです。
日本人は保険が大好きな国民です。「株を買った」というと、「え、大丈夫」と反応されますが、「保険に入る」といっても多くの人は「ふーん」で終わりです。誰も「大丈夫?」とは聞かない国です。