対面でないと注意がしにくい場合も…

文章の書き方はもちろんですが、それ以前の問題に思えることも多いのです。

一通のメールの中に、いくつもの異なるフォントが使われている。受取人の宛名や、あいさつ文などを、他の複数のメールからコピー&ペーストしてきて、フォントはそれぞれそのままにしているようなケースです。

文字の級数もバラバラになっているなど、まったく会社からの指導を受けていないと思える文章の書き方をする若手の人材が目につきます。

上司や先輩も、毎日事務所で顔を合わせていれば、アドバイスもしやすいのですが、在宅勤務でオンラインでのコミュニケーションがほとんどとなると、なかなか指導も難しくなります。

マナーを知らない新人に指導をしようとしても、たとえば、その新人があまり素直に話を聞くタイプでなかったり、あるいは理解がわるかったりすると、少なくとも対面でなくては、話もしにくくなるわけです。

そうした経緯もあり、上司や先輩からの指導は、どうしても疎かになりがちでしたが、その中でビジネスメールの書き方も、多少の間違いがあっても仕方のないこととして扱われてきたように見えます。

そして、パンデミックが終わってからも、多くの若手社員がビジネスメールのルールやマナーを学ぶことなく業務にあたっています。

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上司や先輩がどう感じているのかを伝える

こうした問題について、会社組織として取り組める改善策を考えてみましょう。

まずは上記のような現象をパンデミックの期間中、あるいはパンデミック後にできた問題として、シリアスに捉え、向き合います(改善活動では、このような組織による「コミットメント」が必要になります)。

そして、ビジネスマナーに問題のある若手社員に、上司・先輩が何をどのように感じているかを伝えます。

この取り組みは、特に難しいことでないにしろ、片手間では片づけられないのを認識したいところです。

会社では、たとえば外線からの電話に出たときに、まずは「お電話ありがとうございます」と述べるという取り決めすら、全員に順守させるのは容易でないことが多いのです。

簡単そうに見えることでも、実施して定着させるには、それなりの労力が必要になります。