「カリカリッ」とした食感が脳を刺激する
もう1つの効果は、「カリカリッ」とした食感と歯ごたえが脳を刺激し、脳をリセットしたりリラックスさせたりすることです。噛む動作と食感は、アゴや顔周りの筋肉や神経を刺激し、それが脳にも伝わります。
アーモンドをつまんで口に入れ、噛み砕くという一連のリズミカルな動きにも、煮詰まった思考を打開する効果が期待できます。野球でよく使われる「チェンジ・オブ・ペース」という言葉を知っていますか。「緩急をつける」という意味で、ピッチャーが球速やコース、投球の間合いなどに変化をつけて、バッターの目先を変えることですが、アーモンドを食べることで、“脳へのチェンジ・オブ・ペース”ができるというわけです。
デスクの引き出しに用意しておけば、いつでも手軽に“脳へのチェンジ・オブ・ペース”ができますね。このように食事には、栄養摂取だけではなく、「食べるという行為自体に健康効果がある」ことも覚えておきましょう。ここが、サプリメントでの栄養摂取とは異なる点です。
1日の適量は7~10粒。余ったら「ハニーナッツ」に
粒の形で市販されているアーモンドは加熱の仕方によって次の3タイプに分かれます。
(1)生アーモンド…加熱加工していない。
(2)ローストアーモンド(素焼き)…焼いただけ。流通量が近年増えつつある。
(3)フライドアーモンド(油で揚げたもの)…味付けされ、おつまみなどに多用されているタイプで、最も多く出回っている。
おすすめは、生もしくはロースト。アーモンドは脂質が多く、高温加熱をすると酸化しやすくなるからです。
ただし、生のアーモンドには酵素抑制物質が含まれていて、たくさん食べると消化不良を起こすことに注意してください。酵素抑制物質は、成長に適した環境が整うまで種が発芽しないように酵素の働きを抑える物質です。私たちのからだに入ると、消化・吸収・代謝などを促進する酵素の働きが抑制されてしまいます。
1日の適量は7~10粒くらい。余ったら「自家製ハニーナッツ」を作ってみましょう。作り方は、煮沸消毒した密閉容器にアーモンドとハチミツを入れるだけ。このハニーナッツをヨーグルトと果物にかければ、栄養豊富でバランスのいい朝食になります。