深掘り力×共感力のハーモニーが必要
ところで、得意な力だけでビジネスプロデューサーになれないのはなぜでしょうか。
ビジネスプロデュースは、次の5つのステップに分けられます。
ステップ2:戦略を立てる
ステップ3:連携する
ステップ4:ルールを作る
ステップ5:実行する
5つのステップのうち、ステップ1「構想する」とステップ2「戦略を立てる」については、特に深掘り力が求められます。そして、ステップ3「連携する」以降では、特に共感力が求められます。しかも、これはどちらに重点を置くかという問題で、すべてのステップにおいて両方の能力が必要な場面が出てきます。
ビジネスプロデューサーになるためには、両方の能力を兼ね備えなければなりません。深掘り力と共感力の高次元でのハーモニーが、ビジネスプロデュースを成功に導く一番重要なファクターだと言っても過言ではないのです。
発揮される能力は苦手分野に制約される
逆にいうと、ビジネスプロデュースの場合、発揮される能力は深掘り力と共感力の低いほうに制約されます。
深掘り力が100だとしても、共感力が0であれば、ビジネスプロデュース力は0です。深掘りタイプが、「共感力は苦手だから」と、得意な深掘り力ばかりを伸ばしていても、ビジネスプロデュース力は上がっていきません。
苦手な能力を克服しようとすると、つらいこともあるでしょう、なにしろ、あえて苦手なことをするのですから。最初の5年間くらいは苦労の連続です。
けれども、その努力が報われるときが必ずきます。
深掘り力や共感力を鍛えることは、ビジネスプロデューサーに限らず、これからの日本で活躍するすべてのビジネスパーソンにとって重要です。市場が成熟した日本において成果をあげていくためには、深掘り力と共感力の両方を高次元で併せ持つことが必要だからです。