トヨタ株は約18万倍にも値上がり
【澤上】すごい。
【渡部】澤上さんがおっしゃるとおり、誰も見ない時にこそ投資する、という意味では、1950年6月がトヨタ自動車(当時はトヨタ自動車工業)の、ど安値なんですね。
株価は一株23円50銭。
1950年6月に発売された『会社四季報』第3集のコメントが非常に面白いです。
「経営合理化のための二工場閉鎖、一千六百名の人員整理、一割賃下案をめぐって争議中。しかし三首脳の辞任(後略)」、【前途】には「わが自動車工業の前途は楽観を許さぬものがある。当社の再建も容易ではない」と書かれています。
もしこの時点でトヨタ株を買い、最高値をつけた2022年1月まで持ち続けたとしたら、同社の修正株価(株式分割を考慮した株価)は18万倍になっているんです。
物価を考慮しても約1万1700倍です。
日経平均よりはるかに儲かった
【渡部】ちなみに日経平均は同じ期間で456倍。トヨタ株を買ってずっと持っていたほうが、はるかに儲かっている。これが個別株投資のすごさです。
澤上さんがおっしゃったように、長期投資の醍醐味はここにあるんですよ。『会社四季報』を字面だけ読んでいるわけではなく、こういった流れも見ながら銘柄を発掘しています。
【澤上】なるほど。
【渡部】例えば、塾生には「コメントが全部悪い銘柄は買いだ」と教えています。
「複眼経済塾」では、『会社四季報』のこういった使い方を教え、株式投資の考え方を教えています。
【澤上】渡部さんは、教育伝道師として素晴らしい。しかも説明がわかりやすい。