血管に関する病気のリスクを軽減できる

血管は、加齢によって動脈硬化が進みます。動脈硬化が問題なのは、心筋梗塞や脳梗塞につながることです。これらの病気は、突然死を招くリスクを高めます。心筋梗塞は、心臓を取り巻く冠動脈かんどうみゃくが動脈硬化によって狭くなり、それがなんらかの原因で詰まって、心臓に血液が流れなくなることで起こります。

和田秀樹『65歳から始める和田式心の若返り』(幻冬舎)

心臓ドックでは、CTなどの画像診断で冠動脈の状態を調べます。もし、血管の狭窄きょうさくが見つかれば、血管を広げるための処置を行うことで、心筋梗塞を起こすリスクを軽減できるのです。また、脳の血管の壁が膨らんでもろくなる脳動脈瘤のうどうみゃくりゅうという病気を抱えている人が、一定の割合でいます。

脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血まくかしゅっけつを起こし、命を落とす可能性があるのです。そこで、脳ドックによって脳動脈瘤が見つかれば、今は破裂を防ぐ処置を、開頭しなくてもできるようになっています。ただし、高年者の脳では、萎縮や微小脳梗塞も起こっています。これらは治す方法がありません。

検査を受ける際は、がっかりしないよう心づもりをしておきましょう。

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