メリットとデメリットを明確にして判断する
先にあげた数字を見るにつけ、1年以上前から私は、このオミクロン株が風邪に近づいているのではないかと主張してきましたが、「5類」への移行を反対する人も多く、自粛の風潮は続いたのです。
先述のとおり、オミクロン株が季節性インフルエンザと同じ「5類」へと移行されるのは、2023年5月8日まで待たなくてはなりませんでした。
国はもっと早いタイミングで、「高齢者は要介護の予防のためにも外に出て歩きましょう」「以前のような危険はなくなりました」というメッセージとともに「5類」へと移行すべきでした。
マスメディアによるニュースが、「コロナは怖い」という空気をつくりつづけ、自粛を長期間強いたことで、コロナの感染以上に日本人の心身の健康が損なわれたことは間違いなさそうです。
さまざまな自粛によって、コロナの蔓延は多少抑えられたかもしれませんが、高齢者の場合はとくに、「外出しない、出歩かない、人と会話しない」といった日常生活によって、足腰が弱ったり急速に老け込んだりしています。これが要介護へと直結するわけです。
コロナ自粛であれ何であれ、ものごとのメリットとデメリットの両面を明確にしておくことは必須です。ここもまた、頭がいいか悪いかの一つの分岐点です。
メリットとデメリットのそれぞれを明確にしてこそ、差し引きを考えることが可能になります。
さらにまた、よいことであれ悪いことであれ、ものごとが起こるには確率があり、ニュースで話題になっているから、世間が騒いでいるからといって、本質的に重大であるかどうかは関係がない点を忘れてはいけません。