大衆層に振り向いてもらうのにアニメは手っ取り早い
そうなると、一部のマニアしか注目しないような最先端トレンドや凝ったディテールを盛り込んだ服を発売するより、アニメ・漫画コラボの服を発売した方が、より多くの消費者、とりわけマニアックなファッション談義には興味のない大衆層に振り向いてもらいやすいということになります。これがラグジュアリーブランドからしまむらまでの全価格帯・全ジャンルのブランドがアニメ・漫画コラボを手掛ける最大の理由ではないかと考えらます。
筆者は今年53歳ですが、小学生時代に『ガンダム』ブームを経験し、中学生時代には『北斗の拳』ブームがあり、大学生時代には『ドラゴンボール』を読んで今に至ります。元々が好きなので今でも何本かのアニメを見たり漫画を読んだりしています。現在の70歳手前くらいまでの中高年はアニメ漫画の知識があるといえますから、小学生から70歳くらいまでが共通の話題として取り上げることができる全世代が支持する一大文化がアニメ・漫画類だといえます。
アニメコラボは一般化する
国内的にも国際的にも今後もアニメ・漫画・特撮とブランドとのコラボは続くでしょうし、ますます「あって当たり前」という風潮になりさらに一般化するのではないかと思います。国内でも熱狂的なアニメ・漫画・特撮ファンのファッション業界人も増えており、モノ系月刊雑誌『モノマックス』では特撮番組好きのビームスのスタッフが「ビームス特撮部」として連載を持っていたほどです。
アニメ・漫画・特撮とファッションの立ち位置は長期的に変わることがなく、ファッションのサブカル化は半ば固定化されるのではないかと個人的には見ています。