敵は他の誰でもない、家族だった

父が築いた会社。父が建てた家。父の努力と苦労の結晶を必死で守ろうと頑張ってきた美華さん。本来なら、家族が力を合わせて守るのが定石だが、敵は他の誰でもない、家族だった。

無責任にお金を貪り、嘘をついては資産を食いつぶす兄たち。

吉田潮『ふがいないきょうだいに困ってる』(光文社)

「私、家族仲よし、きょうだい仲よし、とか言ってる人が、まあまあ嘘臭く感じるんですよね。だいたい私の周りでもそんなこと言ってる人は、利害が絡んだり、事件が起きたりという経験をしていないからですよ。きょうだいにクズがいたら、そんなのんきじゃいられませんからね。

私は兄たちがこんな状態でしたから、20代の頃に結婚をあきらめました。婚姻関係を結んだら最後、相手のおうちにも絶対に迷惑をかけることが目に見えてましたから。だって、平気で家や土地を抵当に入れたり、消費者金融で借りまくるんですよ。結婚相手に借りを作るのも嫌だし、兄の尻拭いに巻き込みたくなかったから」

美華さんが費やしてきた膨大な時間と莫大な出費、そして封印してきた思いを目の当たりにすると、3人の兄たちの罪はとてつもなく重く感じる。

関連記事
【第1回】給料は150万円、経費でクルーザー、出社は月イチ…実家に寄生するしか能がなかった長男の意外な末路
体からツンと腐った臭い、万年床にカビ…10年閉じこもり46歳兄の「年84万円収入」を段取った妹の見上げた執念
幼稚園のお昼寝中、私の下着の中に男児の手が…「子ども同士の性被害」の耳をふさぎたくなる実態
子どもに月経や射精について話すときに「絶対使ってはいけない言葉」2つ
「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"