日本企業×海外企業の連携が増えるか

戦略物資として重要性が高まる半導体の調達に関しても、自動車メーカーの連携は強化されそうだ。足許、地政学リスクの高まりなどを背景に、台湾から日米欧などに半導体の生産拠点が移転しはじめた。電動化とともに搭載点数の増える車載用半導体を、他企業と連携し、より安定的に調達しようとする企業は増えるだろう。

事業環境の変化への対応力向上を目指し、世界的に、乗用車と商用車事業を分離する企業は増えそうだ。他企業との業務・資本提携、買収などの戦略が強化される可能性も高まる。それによって自動車メーカーは優位性を発揮できる分野に集中し、事業規模やシェアの拡大に取り組むだろう。

トヨタとダイムラーの協業発表は、世界の自動車産業の再編を加速させる一つの要素になりうる。今後は、除名された日野の動向も含め、トヨタがいすゞ、スズキ、ダイハツと進める商用車連合「CJPT」に海外企業がどう関与するかにも注目が集まると予想される。

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