◆大嫌いなサンドイッチ
ここは中西部のある建設現場。昼食の時間を告げる笛が鳴ると、労働者たちが一斉に弁当を食べ始めた。
サムは弁当の入った袋を開けるといつものように愚痴をこぼしだした。
「ちくしょう! またピーナッツバターとジャムのサンドイッチかよ。俺はピーナッツバターとジャムが大嫌いなんだ!」
サムは来る日も来る日も、ピーナッツバターとジャムのサンドイッチに不平をこぼしていた。
何週間か過ぎた頃、さすがの同僚たちもサムのいつもの愚痴に我慢ができなくなった。とうとう、一人の同僚がこう言った。
「いい加減にしろよ、サム。そんなにピーナッツバターとジャムが嫌いなら、奥さんに言って別のものを作ってもらえばいいだろうが」
「奥さんだと?」。サムは答えた。「俺は独り者だぜ。弁当は自分で作ってらあ」
「どう行動するか」を選ぶのは自分
私たちも知らず知らずのうちに、自分の嫌いな材料でサンドイッチを作り、不平不満や愚痴をこぼしながらそれを食べ続けるようなことをしていないだろうか。自分の現実は自分で作っている――もちろんすべてではないが――のであり、自分が望むような現実を自分は作れる可能性を常に持っていることを忘れてはいけない。
この寓話は私たちに自分の人生を改善していくためのヒントを与えてくれる。もしも、今の自分の人生に不平不満をこぼしているのなら、他にどういう生き方や働き方があるのかを知ること、それぞれの生き方や働き方を実現するのに必要なルートを調べること、自分にもっとも適したルートを選ぶこと、億劫がらずに勇気を持って一歩踏み出すことである。