男も女も、自分の人生を謳歌したい
思い出してほしいのは、「北風と太陽」の寓話。旅人は温かい太陽の日差しを受けて、コートを脱いだのです。
いま一度、この100年の歴史を振り返ってください。出産にまつわる話は、まず第一に、為政者の思惑がいつもそこにありました。会社の思惑も広い意味ではここに入るでしょう。続いて社会システム上の有利不利という視点が、多くの場合女性識者からここに加えられます。キャリアとの両立などもその典型でしょう。こちらは「女性の味方」の顔つきをしている分、その本質になかなか気づけません。
ただ、女性たちは(もちろん男性たちもそうであるように)、為政者や社会システムとは関係なく、自分の人生を謳歌したいだけなのです。その一番の欲求に干渉してくる言説には、論理で反駁できなくとも、体の奥底で抗ってしまうのでしょう。
かつて、旧優生保護法下やハンセン病患者隔離策において、今から見ればありえない不妊施術が、当時は普通に行われていました。私たちは同じ目で、現代をも見直さなければならないでしょう。
今、話しているその言葉は、女性を道具にしていませんか。
彼女らの気持ちを萎ませていませんか。
20年後の人たちから嗤われることはありませんか。