公務員志望の卒業生、20%→12%に激減
東大生の間では外資系コンサルが人気で、2022年の就職先でも4位にマッキンゼー・アンド・カンパニー、6位にPwCコンサルティングが続く。
2022年の2位はソニーグループ、3位は楽天グループ、5位に日立製作所、6位同数でソフトバンクと野村総合研究所、9位同数でヤフーと富士通だというから、かつての東大卒が行く会社とはだいぶ様相が違う。もちろん採用人数の枠が多いという問題もあるが、かつて人気だった銀行や電力会社、通信大手、自動車大手などは上位から消えている。
公務員になる東大卒業生は、かつては就職者の20%あまりだったというが、2022年は12%にまで下がっているという。東大卒で見る限り、国家公務員は人気就職先ではなくなっている。
官僚を辞めた人材が向かうのは「マッキンゼー」
そこで今回の人事院の「対策」である。果たして「週休3日」で優秀な学生が志望するようになるのだろうか。
不人気の対策として「週休3日」が出てきた背景には、霞が関の官僚たちが「霞が関は忙しすぎる」ことが原因だと考えていることの表れだろう。最近、霞が関の官僚が続々と中途で退職しているが、それも「過剰労働」が原因だと考えられている。
中途で退職する官僚たちは、辞める時に「ワーク・ライフ・バランスを大事にしたいから」といった理由を説明するから、過酷な労働で皆が辞めていく、と残った官僚たちは考えるのだろう。深夜まで残業するのが当たり前という役所文化に背を向けていると思っているわけだ。
では、辞めた彼らが休みの多い、ワークライフバランスを満たせる会社を志望しているか、というとそうではない。転職先としてもマッキンゼーなどコンサルティング・ファームなど外資系が人気だ。
東大卒業生や、中途退職した官僚たちに、なぜコンサルが人気なのか。外資系に多い「残業ゼロで給与が高い」からなのか。