「遊びだったんだよ!」
「四月の知事選に出馬するつもりだ。今後は忙しくなるから、逢えなくなる」
自分の都合しか考えない身勝手ないい分だが、彼女は「分かった」と頷くしかなかったという。
黒岩氏は、その年の4月10日に初当選を果たすのだが、知事になってからは豹変したそうだ。
「知事になって以降の黒岩さんの態度は本当に冷たいものでした。電話しても『バカヤロウ』と怒鳴り散らす。それでも八月六日、久しぶりに黒岩さんと逢って、私の家で関係を持ちました」(同)
だが、コトが終わるとさっさと帰ったそうだ。
その後の8月26日。黒岩氏から別れようといってきたという。
「遊びだったんだよ!」
そう電話でまくしたてた。A子さんは、「なんて卑劣な男だと愕然とした」という。そして、「関係を奥さんに伝える」といってしまったそうだ。
驚いた黒岩氏は、「会って話そう」といい、六本木のカラオケボックスで話し合ったという。
黒岩氏は、「関係を続けよう」といったそうだが、「私を性のはけ口として弄んでいただけだった」と思い断った。
「その数カ月後、メールをプリントアウトして黒岩さんの自宅に郵送しました。『家内が自殺してしまう』と電話がありましたが、私も自殺したくなるほど苦しんだ。あぁ、私は本当に捨てられたんだなと思いました……。この日が黒岩さんとの最後の会話です」(同)
文春の報道は選挙妨害に当たらないのだろうか
文春は黒岩氏を直撃する。A子さんと不倫関係だったのではという質問に、「思い出せませんね」と否定した。
だが、逃げ切れないと思ったのだろう、黒岩氏の事務所から、A子さんと男女関係にあったことは事実、12年前に知事選に出馬することになり、公職に就く以上身を正さなくてはならないと考え、A子さんに説明し、男女関係を断った。
だが、その後私の妻に手紙を送ってこられ、妻は大変傷つき、私は妻に心から謝罪しましたと、A子さんの話が事実であることを認めた。
A子さんは、
「今となっては、私もバカだったなと思います。ただ、ここまでお話ししてきたことが、十二年にわたって県知事を務めてきた黒岩さんという男の実像なんです」
と話している。
なぜ、12年以上たってから告白したのかという疑問はあるが、黒岩氏の生身の姿を有権者に知らせ、投票する判断材料の一つにしてもらうという目的は達したと思う。
今回、4選が決まった黒岩氏は選挙公約に、「パパママ目線を踏まえた保育環境の充実」「生活困難女性支援の強化」などを謳っていた。
県政記者によれば、
「私生活では妻と二人の息子がいます。元々出馬に反対だった妻には『頭が上がらない』と公言。地元紙の取材に『休日は妻とミュージカルや映画を楽しみ、エネルギーを充電する』と明かすなど、家族を大事にする姿勢もアピールしてきました」
12年以上前の男女関係を、当人が選挙戦の真っ最中なのにメディアが報道することは許されるのだろうか。選挙妨害には当たらないのだろうか。当然出てくる疑問であろう。