「リーマン・ショック」で世界経済は大打撃
2008(平成20)年9月15日、リーマン・ブラザーズの破綻を契機に、「リーマン・ショック」が世界を駆け巡った。
この信用不安は「100年に一度の世界金融危機」といわれ、世界経済は大打撃を被った。
このリーマン・ショックが起こる半年前、米国で、途方もない危機のマグマが地表に噴き出そうとしていた。その震源が「サブプライムローン」である。
サブプライムローンとは、米国の住宅ローンのカテゴリーで、所得の低い人向けの金利優遇のないローンを意味する。
実際にローンを貸し出した金融機関は、債権を証券会社に売却し、証券会社はこれを小口証券化して、他の金融商品と組み合わせて販売していた。
こうして「毒入り資産(Toxic Assets)」と呼ばれる怪しげな金融商品が、世界中にばらまかれていた。
ベアー・スターンズの救済が危機を広めた
そして、住宅バブルが崩壊。サブプライムローンの返済不能者が続出した。
これを購入していた金融機関が危機に陥り、世界中に金融システムの不安が広がって負の連鎖が実体経済に及んだ。
この影響で、米国第5位の証券会社ベアー・スターンズが経営危機に陥るが、FRB(米連邦準備制度理事会)が緊急融資を行い救済する。
これで危機は一時的に回避されたように見えた。だが皮肉なことに、この救済が危機をさらに広める結果となる。