「親は子どもに無条件の愛情を注ぐもの」ではない
親のサポートが十分でも、子育てがうまくいかない場合もあります。
とくに発達障害やグレーゾーンの子どもには、親は非常に困惑させられます。
親にとって一番つらいのは、子どもと気持ちを通わせられないことでしょう。
発達障害の子どもは人と目を合わせなかったり、スキンシップを嫌がったり、場合によっては相手が親であっても無関心だったりします。
この場合、親は厳しい試練にさらされます。
「親は子どもに無条件の愛情を注ぐもの」
そう言われることもありますが、現実にはなかなか難しいことがあるのも否定できません。
親自身もそんな自分を責めてしまい、うつになることも多いです。
親自身に虐待された経験がある、夫婦関係がうまくいっていない、経済的な問題を抱えているなどの場合、子どもに愛情を注ぐのが難しくなります。
また、親が発達障害の場合、子どもへの愛情や関心が希薄になることがあります。
「親と子ども、どちらが悪いのか?」という視点で語ることに、あまり意味はありません。
必要なのは「親は子どもに無条件の愛情を注ぐもの」という世の常識に、留保を加えることです。
親に愛されなかったと感じている人(もしくは子どもを愛せないと悩んでいる人)には、とくに重要な視点となります。
「親は子どもを愛して当然」という考え方に、「ただし例外はある」とつけ加えることで、親子関係に一定の客観性がもたらされるでしょう。