いま世界の自動車業界は、こうした激しい「EV覇権争い」を繰り広げている。
そんな中で、世界一の自動車メーカーであるトヨタが今後どのような戦略を取っていくのか。
今回の経営トップ交代劇の背景には、そうした「EV戦略の練り直し」の側面があるとみて間違いないだろう。
あとを継ぐ佐藤恒治氏には、非常に大きな任務が課せられている。
海外メディアが報じた社長交代劇
今回の社長交代について、海外メディアの論調は厳しい。
「数年前なら世界最大の自動車メーカーの舵取りを任されたと祝福されただろうが、トヨタの現状を見れば困難な役割を押し付けられただけ」(WSJ)
「新社長は当分の間は大きな変革を成し遂げることはできないだろう」(Reuters)
など、いずれも新社長の行く手は前途多難だと見ているようだ。
また、豊田章男氏は代表権を持つ会長に就任するため、新社長はCEO的というより、むしろCOO的な存在になるかもしれない。
実際、複数の海外メディアが今回の社長交代について「院政(cloistered rule)への移行」だとしている。
いずれにしても、新社長に課された任務は大きく、道のりは険しいものになる。