強盗は技術がいらない

――犯罪はどのように計画されたのか。

【土井氏】刑務所あるあるなんですけど、暇だからいろいろなこと(犯罪)を考える。シミュレーションして、あかんところ潰していく。で、結局、この方法は無理があるなとかなるわけです。

これは、実地で経験しているから、無理とわかるわけですが、ルフィらは分かっていなさそう。経験していないから「いける」と思ったのでしょう。あと。警察の捜査力もわかっていないようです。

今回、ネットで人を集めていますよね。これは、誰でもわかることですが、ネット応募者には技術が期待できない。窃盗ひとつを考えても技術がいる。

素人には、シャッターすら開けられない。各種詐欺だと、演技力が必要になる。だから、一番簡単な強盗をやろうとなったんでしょう。

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強盗は技術がいらないんです。必要なのは根性と用心深さだけ。ルフィたちは、フィリピンの収容所の中で、自分らが動かずして儲けようと考えたのでしょうけど、犯行の手口がずさん過ぎます。(犯罪の)経験不足と言われても仕方ないと思います。

価値のある名簿は1万円で売られている

――裏社会における名簿の取引はどのようになっているのか?

【土井氏】強盗のターゲットは、名簿からチョイスしたと思います。ただ、現時点では、この名簿の質はわからないし、入手先も分からない。もしかしたら、ダークウェブで購入(後述)したものかもしれない。

名簿はピンキリで、サラピン(一度も犯罪に使われていない)は値が張ります。詳細な名簿なら一件あたり1万円する場合もある。一方、使い古された名簿(出がらし)は、一件300円、500円と安くなる。おそらく、今回使われた名簿は、金を持っている、入ったら金がありそうな家の名簿を使ったと思います。

一般人→情報屋→名簿屋→犯罪者

【土井氏】名簿屋は、情報屋から情報を買います。情報屋はカタギ(一般人)から情報を買うんです。

デイサービスや家政婦派遣の情報、学校職員の家族名簿、市会議員や村会議員の名簿と、いろいろあります。

ツイッターでも「情報買います」というツイートがある。#名簿、#情報などと引っかかるようにしています。

名簿屋は、情報屋から名簿を買うとき、安く叩いてナンボ。だから、マスコミさんは相場を知りたがりますが、それは企業秘密です。相場を作らせないためですね。