結婚し、一人当たりの生活費は80万円に

ところが、2021年には結婚をします。

見栄や世間体は全部捨てて、家賃の安い地方に移住し、1人でひっそりと生きていくつもりでした。

ですが、転職先の職場でいまの妻と出会います。

やりたくないことに縛られ、生き苦しさを感じている僕とは真逆で、毎日を自然体で過ごす妻。たくさんの会話を交わす中で、「この人となら1人で生きるよりも楽しく生きられそうだ」と思い、結婚を決めました。

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結婚をしたことで必要な出費もありましたが、2人で200万円の生活費でした。

1人当たりに換算すると、年間100万円(月8.3万円)になります。

最後に、直近2022年の生活費も紹介しておきます。上半期(1~6月)を終えた時点で、約80万円になります。単純計算で、通期では2倍の160万円で着地予定をしています。

つまり、1人当たりの年間生活費は80万円(月6.5万円ほど)の計算になります。

ということで、過去5年間の年間生活費(1人当たり)の推移をまとめると、冒頭の図表1のようになります。

見事に毎年使うお金の額が減っています。

そして、この右肩下がりの生活費を実現できるように努力してきたことこそが、僕が自分らしく生きられるようになった最大の要因でもあります。

お金を使うほど「生活のための労働」が必要になる

お金は大切です。お金は人生を豊かにしてくれます。「お金なんてなくても幸せだ」といえるほど、僕は強い人間ではありません。

ですが、「お金」と一言でいっても、「お金を持っていること」と「お金を使うこと」は全くの別物です。

僕は少ないお金で暮らすようになるまで、このことを一緒くたにして考えていました。

お金持ちだからといって、必ずしもお金をたくさん使って暮らしているわけではありません。そして、お金をたくさん持っているからといって、必ずしもお金を使わなければいけないわけでもなかったのです。

それどころか、お金をたくさん使って暮らすことには代償があります。

その代償とはすなわち、生きるために働いて稼がなければいけないお金が多くなることです。「生活のための労働」といったほうがわかりやすいかもしれません。

はじめはちょっとした贅沢のつもりでも、次第にその贅沢をすることが当たり前になっていきます。すると、当たり前になった贅沢な暮らしを維持するためには、より多くのお金を稼がなければいけなくなるわけです。