Jリーグだからこそ普及を進めていかなければ

【村井】しかし心臓突然死の場合、発作から1分が経過するたびに生存率が10%下がります。通報を受けてから救急車が到着するまでの平均時間は8分なので、救急車が来るのを待っていたら生存率は80%も下がってしまう。胸骨骨折で死ぬことはありません。一瞬でもためらっている時間はないのです。

――訓練で一度使っておくと、いざというときにはずいぶん違うでしょうね。

【村井】そうですね。Jリーグでは、真紀さんの「命をつなぐアクション」をはじめとするAEDボランティアの皆さんに全国のスタジアムを巡回してもらい、AEDの使い方が体験できるイベントを続けています。

中村憲剛選手が登場した「シャレン(社会連携)」の回でも言いましたが、Jリーグの価値は社会への発信力だと思っています。Jリーグの選手は社会に対する影響力を持っています。彼らの力を借りながらAEDの普及を進めていきたいと考えています。

撮影=奥谷仁
【色紙の言葉】私たちにも救える命がある。松田直樹さんありがとう。2021.08.06
関連記事
世界初の「年間1000試合のネット配信」を実現…JリーグがDAZNと「2100億円の巨額契約」を結んだワケ
だから日本代表はドイツとスペインに勝てた…Jリーグの村井チェアマンが危機感を覚えた衝撃のデータ
「こんなに急に悪化するとは思わなかった」これから親を看取る人は知っておきたい"老衰死の経過"
「骨折してもいい、愛情を伝えよう」スキルス胃がんでステージ4の母が4歳・双子の娘に語った病気のこと
「脳トレはほぼ無意味だった」認知症になっても進行がゆっくりな人が毎日していたこと