この案件の罪深い点は、どこで知り合ったのかわかりませんが、高級官僚や著名弁護士、著名税理士法人などがアドバイザーに名を連ねていたことです。
「これだけ立派な人たちがアドバイザーに名を連ね、“お墨付き”を与えている会社だから信頼してもいいのではないか……」と思い込んだ人がいても不思議ではありません。
「広告塔」に騙されてはいけない
資産運用詐欺をもくろむ連中は、自分たちを信用させるために、著名人や肩書のある人物を表に立てて広告塔にするケースが多く見受けられます。
あるいは、メジャーなメディアに広告を掲載し、「うちはこれだけ大きなメディアに広告を出しているから信用しても大丈夫ですよ」とアピールするケースもあります。
過去に有名な雑誌、全国紙、あるいはテレビなどで、資産運用詐欺の広告が堂々と掲載されたことが実際にありました。メディアの広告審査基準を信用してはいけません。
「資産所得倍増プラン」は「詐欺師にとってビジネスチャンス」
いま、「資産所得倍増プラン」などと国が旗振りをする中で、資産運用詐欺をもくろむ連中は、間違いなく「ビジネスチャンスだ」と舌なめずりをしています。
過去においても、「金融ビッグバン」が国策として打ち出された1998年前後に、資産運用詐欺が急増しました。
この手の犯罪に巻き込まれないためには、しっかり情報の「裏」を取ることです。インターネットでキーワードを打ち込んで検索するだけでも、ある程度の情報は集まってきます。怪しい動きをしている個人や企業であれば、具体的な内容を挙げて批判的な書き込みをしている人が見つかるはずです。
あるいは、よく言われていることですが、素性のわからないものには投資しない。これは今も昔も変わらない「鉄則」です。
資産運用にウルトラCはありません。「あなただけに特別に教える有利な話」などというものは存在しないのです。おいしい話に騙されない「目」を持つようにすれば、この手の犯罪に巻き込まれるリスクを相当程度抑えることができるはずです。