いまこそ「減税」すべきタイミングだが…

各社の世論調査によると、国民がもっとも関心のある政治課題はとの質問に「景気対策」が上位に来ている。それだけ景気回復の遅れと物価上昇が国民生活を圧迫していることの表れだろう。

本来ならこうした時期こそ「減税」が行われるべきだが、日本は逆に「増税」に踏み切る。「2024年以降」が今よりも景気が良い保証はない。世界はインフレを抑えるために大幅な利上げに踏み切っており、2023年以降は景気が大きく減速するとの見方が多い。ここ数年の経済の舵取りはかなりの難度になりそうだ。

国の根幹を担う税制の議論は、国民の間で広く行われるべき問題だ。残念ながら岸田内閣はまったく逆で、国民の目を欺くことしか考えていないように見える。

「由らしむべし知らしむべからず」。かつて霞が関の官僚たちがよく口にしていた言葉を思い出す。論語にある言葉で、本来は「人民を従わせることはできるが、なぜ従わねばならないのか、その道理を理解させることは難しい」という意味だというが、転じて「人民は施政に従わせればよく、その理由を知らせる必要はない」という意味で語られてきた。

さすがに情報公開の時代になって公然と口にする官僚はほとんどいないが、霞が関の「本音」はいまだにそこにあるように見える。増税も議論なく国民をどう従わせるか。岸田内閣はそんな官僚文化を体現しているようだ。

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