それでは候補たちはどういった方策で、誰から集金してくるのか。ここでフィクサーが力を発揮する。
資金を集めてくるといっても、選対が個人や企業・団体から無制限に選挙資金を募ることはできない。現在、連邦選挙運動法(FECA)の規定により、有権者一人につき各候補への献金額は予備選で2500ドル(約20万円)、そして本選挙で2500ドルの計5000ドルに限られる。ただ、大多数の献金額は一回200ドル以下だ。候補たちも「チリも積もれば山」という領域で集金し、それこそが民主主義であると表面的には捉えている。
しかしフィクサーは1億円という単位で選挙資金を集めてくる。一人年間5000ドルという上限は破れないが、12年3月末時点でオバマ氏のために一人で200万ドル(約1億6000万円)も集めてくる人物がいる。さらに100万ドル(約8000万円)以上も数人いる。また5万ドル(約400万円)以上集金してくるオバマ信奉者が300人近くもいるのだ。彼らはバンドラー(束ね屋)と呼ばれている。
※すべて雑誌掲載当時