私も関与した筑紫哲也さんへの電話攻撃

旧統一教会では自分たちに味方しない人たちや批判する側の人たちを「サタン」と呼び、徹底した組織的攻撃をしかけてくることで知られています。すでに批判的な報道をするテレビ局や弁護士などへの執拗しつような抗議電話などの行為は明らかになっています。

もし、旧統一教会の側についておかないと、選挙においてどんな組織的な妨害工作を受けるかわからない恐怖心があるために、「関係を断つ」と明確に言えないことが考えられます。

私も信者時代に攻撃にかかわるように指示を受けました。

1992年に合同結婚式のニュースなどが騒がれた時代、旧統一教会に批判的な報道するひとりに、テレビ番組のニュースキャスターを務めていた筑紫哲也ちくしてつやさんがいました。

写真=時事通信フォト
政府の「犯罪被害者等基本計画」案に関する声明について会見するテレビキャスターの筑紫哲也さん(TBS)(=2005年12月8日、東京都内のホテル)

「私はこの団体が大嫌いです」と番組で発言されたこの言葉を、当時の信者として覚えています。連日、霊感商法問題などを報道するこの局に対し、私が所属する部署の責任者から次のような指示がありました。

「テレビ局にクレーム、文句の電話をかけろ!」

です。責任者が見守るなか、私たち信者は、一般人のふりをして、

「こんな偏向報道はやめろ!」
「個人的な感情をぶつけるな!」
「ウソばかりの報道で、真実を伝えていない」

などと電話をかけ続け、組織的な攻撃をしかけました。

いま振り返れば申し訳ないのですが、当時の責任者の言葉は神さまの言葉ですので、従わなければなりません。筑紫さんたち批判するマスコミの発言を、サタンの側の人間と見て行動していたのです。当時、報道各社には、かなりの数のクレームや無言の電話がかかってきたのではないでしょうか。

このように、旧統一教会は相手をサタンの側と見て敵対視すると、組織的な攻撃をしかけてくるのです。