政治に興味を持たないでいたら、利用されるだけになってしまう

日本は政治に興味を持っていない人が多いとよく言われる。今のところ国が暴走していないだけで、もし日本がロシアのように暴走したら、国民はみんな混乱するだろう。日本は意図的に、国民にあまり政治に興味を抱かせないようにしているんじゃないかと思う。権力者たちは国民が政治に興味を持ちすぎていたら政治がやりにくいだろうし、日本の教育においても政治や税金に関してあまり詳しく教えてくれない。

小原ブラス『めんどくさいロシア人から日本人へ』(扶桑社)

日本の官公庁、民間の大企業はエリートと呼ばれる高学歴な人を採用しがちだが、それってなんの疑問も抱かずに、大人が言ってきたことにコツコツと従ってきた都合のいい人間を利用しているだけなのでは? とも思う。「なんでこれを勉強するの?」「何の役にたつの?」といちいちうるさく言うようなヤツは、きっと勉強以外でもうるさいし、黙って従ってほしい人にとっては不都合が生じるだろう!

政治に興味を持たない“その他大勢”の人間でいたら、利用されるだけになってしまう。政治に興味を持ち、知識を得て、自分なりの考え方を持たないといけないという何度も大人に言われたことはやっぱり正しいのだ。僕が視野を広げるために心がけていることは、自分が反対している立場に立ってみて、議論するという手法だ。

北方領土問題について考えてみて、実感したこと

僕は以前、日本とロシアの間にある北方領土問題について、自分が何も知らないと思い、いろいろな文献を読んで調べてみた。しかし、よくわからないことばかりだった。あるとき、インターネットの掲示板でロシア側の意見を持つ人と議論をしたのだが、圧倒的に知識が足りないから、何も言い返せなかった。

ただ、そこではたくさんのロシア側の意見を知ることができたのが収穫だった。ここで満足して終わってしまったら、ロシア側の意見を鵜呑みにしたことになる。だから、今度は僕が知ることのできたそのロシア側の意見を、日本側の意見を持つ人にぶつけてみた。すると、日本側の意見もたくさん知ることができた。

さらに、その日本側の意見を、ロシア側に立っている人にぶつけて、どんな意見が出るかを聞いてみる。そういうことを繰り返していくと、どんどん知識を得られるだけではなく、どちらの立場の意見も知ることができる。そこで、自分はどう考えるかを突き詰めていくのだ。このやり方をしなければ、自分の考えはわからない。本を読むことは大切だが、北方領土問題に関して言えば、著者はある志向を持って本を書いているし、1、2冊の本を読んで学んだ気になるのは間違いだ。誰かの意見を信じ切ってしまうこと自体、危険なことだ。

双方の立場の意見を聞くことで、かなり勉強になり、自分の考えも深まったと思っているが、それでもまだまだ未熟なので今後も議論を続けたい。議論しなければわからないことがたくさんある。自分の主義・主張がある事柄でも、相手の立場に一度立ってみることで見えてくることだってある。一般的に日本人は議論が苦手だと言われているが、それは平和主義とも受け取れるが、放棄主義とも受け取れる。

“論破”されることを怖がらず、自分の意見を言おう

自分の知識がないものだから、自分の考えがない状態で議論したら、きっと反論されて恥ずかしいめにあう。反論できなくなることは悪いことという考え方になっているのだろう。でも、知識がないなら議論してどんどんいろいろな意見を聞いて、知識を吸収していけばいい。議論に勝ちも負けもないし、論破しただのされただの意味がないことだ。どんどん間違ったことを言って、自分の学びを深めていけばいい。自分の考えが間違っていたと後から気がついたとしても、それは成長ということだ。後から自分の考えを変えることは、恥ずかしいことではない。だからこそ、未熟なうちは、どんどん間違えればいいし、間違いを恐れてはいけない! その過程で誰かを傷つけたら謝ろう。

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