手帳の紙を替えるのを納得してもらうためにリーフレットを封入
愚直にお客様に喜んでもらいたい。
こうした思いを胸に、会社としても誠実に対応することを地道に継続する姿勢こそが、結果としてほぼ日手帳を愛用するユーザーが国をまたいで生まれているのではないだろうか。
「SNSやコミュニティでも、ポジティブなコメントをくれるユーザーが多いんですが、特に会社そのものの印象や誠実さを褒めてくれることが際立っていると思っています。カスタマーサポートの対応の良さや商品のちょっとした気遣いなど、会社としては基本的なことと捉えている誠実な対応をユーザーに評価していただいているのは、かなり深い強みになっています」(西本さん)
西本さんは上記の象徴的な話として、ほぼ日手帳が採用する紙「トモエリバー」の切り替えに対する対応を例示した。
「2024年版から、製造元の関係で新しいトモエリバーへ切り替えることが決まっています。ほぼ日手帳は用紙を気に入ってくださっている方も多いため、お客様に事前に書き心地を試してもらうために、ほぼ日手帳の2023年版には『おためし用紙』のリーフレットを封入し、感想やフィードバックをもらうような体制をとっているんです。『こうした姿勢が大変素晴らしい』と、海外のユーザーから高評価をいただきました」
ユーザーに寄り添った細やかな対応の積み重ねが、ほぼ日手帳のファンを増やすことに寄与していると言えるだろう。
人がうれしいと思う普遍的な価値を届ける
現在、ほぼ日手帳の売り上げのうち、およそ4割が海外からの購入だという。また、北中米の売上高に関しても2020年から2021年にかけては59.1%増加。さらに昨年対比でも2022年8月期の第3四半期では39.8%も増えている。
今後の展望について、役員である鈴木さんは「ほぼ日手帳は、国や文化を問わず人にとって普遍的な価値をもつ商品であるはず。まだ出会えていないお客様もたくさんいるはずなので、接点を増やしていきたい」と話す。
「オンラインのみならず、オフラインでもユーザーの方と会う機会を増やしていきたいと思っています。また、海外からも安心してお買い物ができるように、ほぼ日ストアで対応できる言語や通貨、税制対応、決済手段を整備していくこと。そして、販売チャネルの拡充にも努め、いろんなエリアに住む方が安心してほぼ日手帳を購入できるような下地を作っていけるように尽力していきたいです」