最終面接でなによりも伝えるべきこと
また、面接という限られた場面で、あなたが社長に伝えるべきことは何か。ポイントを絞れば、次の二つについてだけは、ぜひ、しっかりと伝えるように努めてください。
・あなたがオーナーシップ(自分事として当事者意識を持って課題に向き合う姿勢)を発揮した場面
この両方をしっかりと話せる人。それを通じて、あなたの仕事上の情熱、思い、考え、行動力が伝わって来る人。そして何よりも目の前の社長に対する興味・関心の強さと共感・共鳴を表現できる人。こうした人を、社長は、頼もしい、信頼できる参謀だと評価します。
比較的組織サイズの大きな企業の経営者であれば、面接は限られた時間となることが多いので、今回ご紹介したことを踏まえて、明確に端的にあなたの魅力を伝えきりたいものです。
またベンチャーや中小企業の場合、社長自らがかなり時間を投資して面接・面談を実施することが多く(それほど、自社の中堅・幹部採用が経営にとっての重要度が高いということです)、会食などでじっくりお互いを見極めるための時間を作ってくださることも多いでしょう。
こうした社長面接のチャンスは、たとえ最終的にあなたとその会社のご縁がなかったとしても、これからの社会人人生にとって非常に貴重な刺激と学びを得るチャンスです。ぜひ、物おじせず、積極的に場に臨みましょう。
面接で絶対にやってはいけないこと
最後に注意すべきことは、人事担当者・責任者、現場責任者、役員、社長、どの面接者に対しても、あなたという人物のあり方、考え方、気持ちや姿勢は絶対に変えてはいけません。
面接官に個別対応しようとして、その都度自分の言っていることや考え方を変えてしまう人がいます。気持ちは分かりますが、そんなあなたに対して企業側では、「前回と今回で言っていることが違うな」「どっちが本心なんだ?」というすり合わせがされ、当然のことながらNGとなってしまいます。
相手に合わせようとするあまり、本来の自分では言わないことを言ったり、同調(迎合)してしまったりして、あとでしまったと思われる方も少なくありません。意味がないのでやめましょう。
転職活動時のみならず、平素の業務においても、「風見鶏」マネジャーは中長期的に見ますと出世の道を閉ざされることになる場合がほとんど。
八方美人では、その人の軸がどこにあるか疑われますし、上司・同僚・部下からの信任を得られないばかりか、実はもっともよく見ていて抜擢・降格の評価ポイントにしているのは社長です。くれぐれも気を付けたいものです。