「今日はどうした?」と声をかけ、準備室に呼び出し…

市教委作成資料によると、2013年11月14日朝、学校内の理科室でわいせつ行為が起きた。

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テニス部に所属していた日和さんは、成績が低迷している部員を対象にした朝の勉強会に参加していた。対象者は3人。他の2人は寝坊で来なかった。日和さんも遅れ、加害教師は理科準備室にいた。同教師は日和さんに「今日はどうした?」などと声をかけ、準備室に呼び、急にキスし、椅子に座らせて頭を撫でた。日和さんは泣き出し、教師は落ち着かせようと、もう一度キスした。

日和さんは動揺し、泣いて、トイレに駆け込んだ。そこで生徒会役員の友人2人と出会い、事件のことを話した。その後、同教師は「落ち着こう」と話し、事件のことを謝った。保健室へ行くが、担任は養護教諭に、「日和さんの意向で何も聞かないでほしい」と告げた。

10時半頃、ようやく教室へ戻る。移動教室で誰もいないとき、幼馴染に「話したい」と、事件を説明した。話を聞いた日和さんの彼氏も保健室に来た。そして養護教諭も事実を知る。夕方、複数の女性教師が事情を聞く。このとき、日和さんは「こんなことになるなら、幼馴染に話さなければよかったかも」「校長先生に言うの?」「私が転校したら、(加害者の)先生は転勤しなくて済むの?」などと話した。

「日和さんを守るため他言しないでほしい」

「当日は何も知りませんでした。彼氏が送ってきてくれましたが、『今日だけでいいので、寝ないで見守ってください。自分の口からは何があったのか言えません』と言ったんです。翌朝も、何事もなかったかのように学校へ行きました。校長と教頭、養護教諭の3人がその夜、突然来ました。土下座して謝られました。校長に『日和さんを守るため他言しないでほしい』とも言われました」(さつきさん)

14日のわいせつ行為以前、その教師と日和さんはドライブをしていた。日和さんは情緒不安定になったのか、11月5日、心療内科でパニック障害との診断を受けた。教師は「病院の話を聞きたい」とドライブに誘ってきた。

資料によると、11月5日は前日の合唱コンクールの振替休日。午前中、この教師は日和さんとメールをしている。夕方、日和さんが住む集合住宅の近くで待ち合わせをして、2人きりでドライブした。学校生活や病院の受診について“相談を受けた”。その後、5時半まで公園におり、6時頃、集合住宅の前で日和さんを車から降ろした。

「なんで先生が? と思ったんですが、日和は先生を信頼していました。将来の夢について話したこともあったようですし、(母子家庭のため)お父さんが欲しいという話もしていたこともありました。病院に行くことも先生は前もって知っていました。心配してくれている感じでしたが、『手をつなごうか』と言われ、手をつないで散歩をしたと聞いて、そこから注意をするようになりました」(同)