医療費の自己負担がゼロの国が抱える大問題

【増田】日本のいいところは、いつでも行きたい病院にかかれること。行ってはみたけれど、どうも合わない病院や医者、というのはありますから、かかりつけ医が固定されてしまうのは避けたい気持ちもあります。

私がイギリスやフィンランドで聞いたのは、医療費の自己負担がゼロで医療を受けられる国の実態です。確かに医療は無料ですが、そのレベルは最低限で、すぐに受診できるとは限りません。お金のある人は高度な医療を受けるためにプライベート病院へ行くので、格差がどんどん広がってしまう実態があります。

【池上】笑い話があって、イギリスから日本へ来た人が、軽い風邪で病院へ行った。すると受付の人が「少々お待ちください」と言ったので、1週間くらい待つのかと思ったら、10分で呼ばれて驚いたそうです。

コロナ前の2019年には、厚労省が統廃合を促すための「公的病院リスト」を公表していました。統廃合とは言うけれど、実際は病院の数を減らすだけ。さすがにコロナを受けて、統廃合に賛成していた総務省は従来の見解を撤回しています。

備えがなければ対応できませんから、コロナ第7波による入院患者の増加を見据えて、病床の確保が求められます。

(構成=梶原麻衣子)
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