「私はホストに行ったことを後悔していません」

現在いちごチェリーさんは、離婚の準備を進めながら、これまでのキャリアを活かして都心のシティホテルで働いている。同時に都内のデリバリーヘルスでも働き始めた。彼女が大好きな良人くんに「副業」について報告すると、彼は「仕事でやるからには頑張って」と声をかけたという。

宇都宮直子『ホス狂い 歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る』(小学館新書)

「私もこの1年間で、『風俗』と『整形』をカミングアウトできるくらい強くなりました。そもそも歌舞伎町に来なければ、痩せようとも思わなかったし、美容に気をつかおうとも思わなかったでしょう。歌舞伎町以前は、化粧品もドラッグストアのプチプラで間に合わせていたけれども、今では、すべてデパコスで揃えています。歌舞伎町に通うようになって、もう1年以上。私はホストに行ったことを後悔していません。でも本当は後悔するべきなのかもしれません。かなりの額を使いましたし、自分の時間や精神を削って生活リズムを変えホストに尽くす日々だからです。

自分より10歳以上年下のホストに翻弄され、時々自分でもどうしたらいいのかわからないくらい沼にハマって溺れています。でもそれに勝る幸せな時間があるから、使った時間も愛情も返してもらえていると感じるし、一円たりとも後悔が無いんだと思います」

だが、一瞬、表情を変えて、こうとも言うのだ。

「もし、誰かから、『ホストに行ってみたいんですがどうですか?』と聞かれれば、その方が、これから行くことを私は止めません。でも決して、おいで! とは言いません」

はからずも「歌舞伎町」が開いたいちごチェリーさんの「第二の人生」はどこへと続いていくのだろうか。

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