今までの生活が壊れていくカウントダウン

昨年、5月の初対面の時、夫のことを「尊敬している」「無人島に誰か1人連れて行くなら、夫」「どんなにホストに通っても夫婦関係を破綻させるつもりはない」と、夫との強い絆を、あれほど語っていたではないか。それが、1年足らずで、ここまで来てしまったのか。もちろん初対面の頃から、その萌芽はあったのだろう。ただ、私が気が付かなかっただけだ。彼女は会社を経営していたが、いつのまにか、本業の話をしなくなっていたことも、気にはなっていた。

彼女は、時に強気で「ホストクラブでの楽しみ方」を私に語り、時には少女のように「良人くんは私のことを好きだと思いませんか?」と相談してきたりしていた。そんな、歌舞伎町をめいっぱいエンジョイしているように見えていた時も、また、あのイベントの、良人くんと一緒に横須賀にスカジャンを買いに行き「『東京卍リベンジャーズ』のコスプレをしました!」と写真を見せてくれた時も、衣吹くんを連れ私の部屋に遊びに来ていた時も、彼女の中では、常に、想像も及ばぬような焦燥感の中で、カウントダウンが続いていたのだ――。

写真=iStock.com/Sunil Naik
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ホストたちと歌舞伎町で生きていく“覚悟の刻印”

「夫は、私の使い込みや、歌舞伎町でのホスト遊びをすべて知った上で、それでも夫婦生活を続けていこうと言います。でも、私はもう無理です。

歌舞伎町やホストと関わらなければ、私自身、人生を見直すこともなく、くすぶった生活を送っていたと思う。そう考えると、辛い思いもしたけれど、みんなと出会えてよかった。これからは歌舞伎町で生活をしていこうと思います。夫からは使い込んだお金を返せと言われていますし、生活費のこともあるので、副業でデリ(※デリバリーヘルス)で働こうと思って。そのためには、まず商品としての外見を磨かなければ、って豊胸したんですよね(笑い)。

豊胸は、体質的なこともあってか、かなりの難手術で、カウンセリングでは30分で終わると言われていたのが、お医者さん2人がかりの大手術になりました。もう、すご~く痛くって。でも、この激痛が、私が今まで関わってきたホストたちと、今後も歌舞伎町で生きていこうという決意を再確認させてくれました。私にとって、この痛みは、デリで働く決意をしたことよりもさらに大きい、今後の新しい生活への“覚悟の刻印”だって」