二人は互いに恋愛感情はないけれど、なんでも打ち解けて話せます。恋話もできます。まるで同性同士の親友のように仲がいいです。一緒にオタイベントに行ったら、同じホテルの同じ部屋に泊まっても、「何も起こらない」まま朝を迎えます。オタクには、そんな関係を続けている人が案外います。
腐れ縁の関係は、恋愛感情がなくても結婚に向いている
いつも一緒にいて、あなたのすべてをわかってくれる異性がいるなら、その人との結婚について考えてみるのはどうでしょうか。恋愛感情もないし、今さら結婚なんて考えられませんか?
でも、腐れ縁の関係は、恋愛感情がなくても結婚に向いています。それは長い年月をかけて、じっくりと人間関係の基礎が出来上がっているからです。お互いのオタ属性から、性格、考え方、思想や行動原理まで手に取るようにわかり、すでに夫婦のような関係だと言えます。
こういった場合、女性のほうは「結婚してもいい」と覚悟している傾向にあります。一方、男性は今の関係が心地よいため、男女の仲になることを避ける場合が多いようです。恋愛関係になることで、これまで築き上げてきた関係性が崩れることが怖いのです。
どちらかが一線を越えないと、一生この関係性は続きます。40代になってようやく気づいて結婚に進むカップルもありますが、一生気づかないままの二人もいます。それでいいと思えるか、それとも新たなステージに進みたいと思えるか、です。
もしあなたが結婚を選びたいなら、戦略はごくシンプルです。戦略と言えるほどのものではありません。どこかのタイミングで、
「付き合いも長いし、一緒にならないか」
と一線を越えればいいのです。このひと言で人生が変わります。
「幼なじみとの人間関係は熟成したワインに似ている」
腐れ縁の異性がいる人は、新しい出会いを探す前に、一考する余地があるでしょう。
また、腐れ縁ほど強いつながりでなくとも、同じ中学、同じ高校、同じ故郷の人などに出会うと、関係性を築きやすいものです。共通の話題が豊富で、親しみを覚えるのだと思います。お見合い相手として探ってみてもいいでしょう。
『攻殻機動隊S.A.C.』第17話「未完成ラブロマンスの真相 ANGELS’ SHARE」で荒巻課長がこんな名言を言っています。
「ワイン同様、熟成に時間を要する人間関係もある」
幼なじみとの人間関係は熟成したワインに似ている、と私も感じています。