「業務の理由」「仕事の意味づけ」を細かく伝える

(3)堅実で安定志向だが社会貢献意欲が高い
久保田崇『官僚が学んだ究極の組織内サバイバル術』(朝日新書)

若者はもっと大きな夢を持つべきとかもっと冒険をなどと上の世代は考えがちなのですが、新卒就職ランキングの上位に有名な大企業がズラリと並ぶことにも現れているように、いまどきの若者はもっと堅実で安定志向です。希望する具体的な業務についても、前例のない大きな責任を伴うチャレンジングな業務は敬遠する傾向にあります。とはいえ、大学生を引率して東北の被災地ボランティアに連れて行った経験からも、いまの若者の社会貢献意欲は高いので、担当させる業務の社会的意義やどんな役に立つのかといった点を丁寧に伝える必要があるでしょう。

これらを踏まえ、若者には「きめ細かく」指導する必要があるでしょう。具体的には、「電話ぐらいできるだろう」などと安易に考えずに、電話する際の注意点などを事前に教えることや、単に業務の指示を出すのではなく、その業務の意味・理由(A)やその業務の結果がキャリア形成にどのような意味があるのか(仕事の意味づけ)(B)についても話すと良いでしょう。具体例は下記の通りです。

×「この資料作成をお願いします」
○「この資料作成をお願いします。この仕事は、取引先との交渉に使うかもしれない重要な仕事です(A)。さらに、ここで資料作成ができるようになれば、次に君が○○といった部署に異動して顧客を直接担当する際の大きな武器になるからね(B)」
関連記事
新入社員がどんどん辞めていく会社の「残念な上司」たちに共通する"ある口癖"
指示に従わない「くせもの部下」との1対1面談で、一流の上司が最後にする"最強質問"
スタンフォード大学の研究で判明、将来の「働かないおじさん」を見分ける"意外な着眼点"
「転勤はイヤ」「自己完結の仕事がいい」ジョブ型雇用を勘違いした就活生を待ち受ける厳しい現実
ダメな上司ほど最初に使ってしまう…「部下との1対1」で避けたほうがいい"ある言葉"