1LDKなら山手線内側・徒歩4分までが推奨立地

間取りタイプが違えば、面積帯も異なる。3LDKならば70m2前後で、2LDKならば60m2前後、1LDKなら50m2前後が分譲マンションでは一般的だ。2021年から住宅ローン控除の対象面積が50m2から40m2に引き下げられたが、2020年までは減税対象ではないために売りづらかった。それゆえ、50m2未満はあまり作られることもなかったのだ。

1LDKのようなコンパクトタイプなら、立地を間違うと資産価値の目減りが早くなってしまう。住まい手が1~2人なので、駅から離れると途端に売りにくくなる。このタイプは山手線内側の駅で、徒歩4分までが推奨立地となる。徒歩5分以上になると1分離れるごとに価格の下落率が大きくなっていくことは覚えておいた方がいい。

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20年前のマンションは面積が広かった

間取りと面積の関係は単価水準によって変わってきた歴史がある。単価が安い時は同じ間取りでも面積は広くなるし、現在のように単価が高い時には面積は小さくなるものだ。今から20年ほど前の2001~04年は近年では最も単価が安かった時代で、3LDKが75m2程度あった。そのため、今、中古を検討する人には築20年まで検索範囲に入れるように指示しているほどだ。

リビングも居室も広くて、水周りも余裕があった。水周りで分かりやすいサイズ感はお風呂に出る。縦横の長さで1814(「いちはちいちよん」と読み、1.8m×1.4mを示す)が目安で、余裕があると2016とかになり、1612などは狭くなる。

今は、3LDKで70m2あればいいが、たいてい60m2台になってしまっている。こうなると、すべてが小さめということになる。

コロナ禍で、部屋数を増やす傾向が強くなっている。それはリモートワークスペースなどの確保をしたいがためだ。だが、面積は狭い。そのため、4LDKを求める人はマンションではなく、戸建てを検討する人が増えた。実際、新築分譲戸建ては4LDKが主力商品なので、飛ぶように売れている。この意味でも80m2台以上の4LDKのマンションは不人気で、同じ面積でも3LDKにした方が売れるという実績がある。5LDKは言わずもがなである。