「障害厚生年金2級なら月9万4400円、残り4万円です」
その情報をもとに筆者は試算し、用紙に次のような金額を書いていきました。
障害厚生年金3級 月額 約4万8600円
■障害厚生年金2級に該当した場合
障害厚生年金2級 月額 約2万4600円
障害基礎年金2級 月額 約6万4800円
障害年金生活者支援給付金 月額 約5000円
合計 月額 約9万4400円
筆者は2級の合計金額のところを指さしました。
「仮にご長女様が障害厚生年金の2級に該当した場合、月に約4万円を就労で稼げるようになれば月額13万円に届きます。月4万円であれば就労支援なども視野に入ってきます」
「そうですね。2級に該当するとものすごく助かります。でも長女は2級に該当しそうでしょうか?」
「それは実際に請求してみないことにはわかりません。受給の可能性を高めるためには、書類の記載内容がカギとなります。特に重要な書類は診断書と病歴・就労状況等申立書の2点になります。診断書は医師が作成します。病歴・就労状況等申立書はご家族または代理人が作成します。ご長女様は発達障害をお持ちなので、病歴・就労状況等申立書はご長女様が生まれた時から現在までを記載する必要があります」
それを聞いた父親は目を丸くしました。
「えっ? 生まれた時から? どうしてそんな昔のことから記載する必要があるのですか?」
「発達障害は生まれつきの脳の障害であり、その症状は通常低年齢において発現するものだと言われているからです。そのため、幼少の頃からどのような様子だったかをできるだけ詳しく記載するよう求められているのです」
「なるほど、理由はわかりました。しかし生まれた時からのことを書くなんて……。いったいどのようなことを書けばよいのでしょうか?」
「例えばご長女様が幼少期や小学生の頃、ご両親から見てちょっと気になったようなことはありませんでしたか?」