外資系コンサルタント会社は日本企業によい影響を与えているのか

そこに「エビデンス」がない段階でも「論破」して排除するのではなく、明確な違和感が現場にあるなら「そこには何かあるな」と感じ取り、その後「一緒にエビデンスを確認」して議論を深めていくことが、生産性のある「エビデンス」の活用法ではないでしょうか。

そこで「自分たちで考える」ことを放棄して流行り言葉に飛びついてしまう姿勢が蔓延している結果として、今の日本では、外資系コンサルティング会社が大盛況になっています。

日本中の上場会社から次々と「ビジネス流行り言葉」への対応が彼らに“丸投げ”され、次々と案件が立ち上がるので受けきれず、普段なら考えられない料金を人材紹介会社に払って即席のコンサル人員をかき集めて対処しているような現状にまでなっている。しかし考えてみてください。そこまで「外資系コンサルタント会社が大儲け」している中で、日本企業は「よく」なっているのでしょうか?

それは、いまの日本経済の不況ぶりを見れば一目瞭然です。

「なにかわからないけど、スゴイことをやらないと」は危険

あなたの会社でも、「これからは○○の時代だ」などと流行り言葉を聞いてきて、「ウチでも流行りの○○ってやつをやるべきときだ!」とよくわからない思いつきのプロジェクトがはじまり、通常業務も減らないのに余計な仕事を増やしやがって! と不満タラタラに一応流行りっぽいものをやりはじめてみるけど、そのうちなんとなく立ち消えになってしまう……というような状況を見かけたことがありませんか?

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そして、そういう思いつきのような散発的な「改革」が泡沫のように浮かんでは消えていくなかで何も変わらないままジリジリと船が沈んでいくような焦燥感から、「自分の隣にいるアイツ」をさらに強く「論破」して、「なにかわからないけど、なにかいままでとは違うスゴイこと」をやらなければ! という焦りだけが募っていく。

「あなたの会社」の話だけでなく、「ここ20年の日本国」もなんだかこうした状況になってきている気がしてなりません。このような「なにか変えなくちゃいけないとは思うけど、なにを変えたらいいかもわからない」という閉塞感が、「論破」ブームを支えているのではないでしょうか。

そこで「よい対話」が行われ、立場が違う人たちの事情が吸い上げられ、他でもないその会社に合ったオリジナルな方向性が動き出したなら、そのことによって抵抗勢力さんとの信頼関係が生まれ、そこから先は無理に力を入れずとも押し切ることが可能になるのです。